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「託す」という選択。古着屋woonyがM&Aで手にした新たな可能性

  • 6 日前
  • 読了時間: 10分

更新日:3 日前

古着屋の経営は、オーナーの情熱とマネジメントによって大きく左右されます。だからこそ「自分が抜けたらお店はどうなるのか」と悩み、すべてを背負い続けている方も多いのではないでしょうか。


今回ご紹介するのは、兵庫県神戸市で古着屋「woony」を営んできた高森さんが、出産をきっかけにM&Aを決断した事例です。大切に育ててきたお店とスタッフを守るために選んだ道はどのようなものだったのか。そして、M&Aの後にどのような変化が生まれたのか。


古着屋経営の新たな可能性を考える一例として、ぜひ読んでみてください。


教師から古着屋の経営者に

多くの人に支えられてきたwoony


教師から古着屋経営者になった高森さん(向かって左)と夫の●●さん
高森さん(向かって左)と夫の大介さん

―はじめに、高森さんのご経歴について教えてください。


高森さん:教育大学を卒業し、中学校や高校で理科の教師として約10年勤務しました。生徒たちと向き合う日々は充実していて、「教師は自分にとっての天職だ」と本気で思っていました。


―そこから、どのような経緯で古着屋「woony」を創業されたのでしょうか?


高森さん:きっかけをくれたのは、夫の知人です。古着屋を経営していた、その方から「古着屋は面白いビジネスだ。これから盛り上がるマーケットだ」という話を聞くうちに、私と夫は強く惹きつけられ、勢いに近い形で、古着屋「woony」をゼロから立ち上げることになったのです。


―お店を経営する中で印象深いエピソードについて聞かせてください。


高森さん:一番印象に残っているのは、お店をゼロからつくり上げた経験そのものです。教師時代にはまったく経験のない世界で、毎日が挑戦の連続でした。


振り返ると、私と夫だけで頑張ったというより、多くの方に支えていただく毎日だったと強く感じています。古着屋を始めるとなったとき、友人や家族、親戚、先輩など、本当に多くの方が「力になるよ」と私を助けてくれました。私にないスキルを補ってくれ、開店後はお客さんとしても応援してくれました。多くの人に支えてもらいながらお店が形になっていく、その過程が印象的でした。


常連のお客さんと一緒に
woonyを支えてくれた学生時代の先輩と一緒に

woonyは、ヨーロッパ調のきれいめで大人っぽい古着を扱い、古着初心者でも入りやすい店を目指して経営してきました。接客ではお客さんに100%の力で向き合い、コーディネートにまで深く関わる距離の近い関係を大切にしています。そのようなお店のコンセプトも含めて、多くの人に支えられながら経営できたことが一番の思い出です。


―高森大介さんは、woonyの経営を振り返っていかがでしょうか?


高森大介さん:毎日が驚きの連続でした。私は自らのビジネスに時間を割いており、woonyは妻が中心となって経営してきましたが、近くでその姿を見ていて「ゼロから立ち上げたお店が本当に形になるんだ」ということに驚いた記憶があります。


妻の接客を通じてお店のファンになってくれる人が現れたり、教師時代の生徒がお店を訪れてくれたりするのは、私としても嬉しかったです。woonyはまさに妻の人柄でスタートを切ったお店だと思います。


妊娠・出産でお店に立てなくなった

お店とスタッフを守りたいという気持ちからM&Aを決断

woonyを守るためのM&A
woonyを守るためのM&A

―順調に経営されてきた中で、M&Aに臨んだ背景を教えてください。


高森さん:M&Aを考えるようになったきっかけは、私の妊娠・出産でした。妊娠当初は「1カ月ほどで現場に復帰できる」と考えていたのですが、実際に出産してみると子育ては想像以上に大変で、これまでのように毎日店頭に立つことが難しくなりました。


私は薪をくべる係として、お店の空気をつくる役割を担っていたのですが、不在が長く続き、スタッフだけで運営する状態になってしまったのです。リモートで指示やメッセージは送っていたものの、スタッフに徐々に疲労が見え始め、それがお店の雰囲気となり、お客さんの反応や売上にも影響を与えるようになりました。


その状態を目の当たりにし、「大切に育ててきた店とスタッフを守りたい」という想いからM&Aを考えるようになりました。


最初から印象が良かった縁結び株式会社

M&Aに不慣れな私たちに寄り添ってくれた


縁結び株式会社 代表取締役社長の柴﨑さん
弊社 代表取締役の柴﨑

―縁結び株式会社との出会いについて教えてください。


高森さん:縁結び株式会社との出会いはM&Aプラットフォームでした。当時、夫の知り合いが経営する会社も含めて5社と交渉しており、そのうちの1つが縁結びさんでした。


―縁結び株式会社の印象はいかがでしたか?


高森さん:社長の柴﨑さんとはZoomで最初にお会いしましたが、面談が終わった後、夫婦で「柴﨑さん、めちゃくちゃ良い人だったね」と話したのをよく覚えています。他の会社さんは条件面を中心に見る印象が強かったのですが、柴﨑さんは私たち夫婦の人柄や、woonyに込めた思いを丁寧に聞いてくれました。M&Aは条件だけでなく相性や気持ちが大事だという姿勢が伝わり、とても安心できました。


―縁結び株式会社との交渉において印象的だった出来事を教えてください。


高森さん:交渉で印象的だったのは、私たちの不安に柴﨑さんが寄り添い、リードしてくださったことです。私たちはM&Aの知識が十分ではなく、交渉相手によっては「こちらが不利になっていないか」「言うべきことを言えていないのでは」「逆に言ってはいけないことを口にしていないか」と心配になる場面がありました。柴﨑さんはそれらの不安を丁寧にケアしながら、交渉を進めてくれたと感じます。


高森大介さん:柴﨑さんは、不安をそのまま伝えても大丈夫だと思える相手でした。M&Aの交渉において、お金の話が中心になるのは当然だと思いますが、それでもシビアな部分を前面に出されると、こちらも身構えてしまいます。


しかし、柴﨑さんとの交渉では、同じ方向を向いて並走している感覚を常に感じていました。私たちに丁寧に向き合ってくださったからこそ、こちらも数字や現状をきちんと整理し、誠実にお伝えしようと思えたのです。


また、交渉の終盤に、woonyの店長を務めている藤枝さんを柴﨑さんに紹介する場面がありました。藤枝さんとしてもM&Aは初めての経験で、かなりの混乱を感じていたと思いますが、柴﨑さんと話す中でそれらの混乱が安心に変わっていくのが分かったのです。そのときに、縁結びさんへの譲り渡しを夫婦で決めました。


信頼できる相手にwoonyを託せた

現在は100%の力で子育てを楽しめる

M&Aを経て、子育てに集中できるようになったと語る高森さん
M&Aを経て、子育てに集中できるようになったと語る高森さん

―成約後、どのような変化がありましたか?


高森さん:お店に出られない焦りを1日でも早く解消したいと思っていたので、信頼できる縁結びさんにお店を引き継いでいただけたことは本当に前向きな出来事でした。woonyが手から離れる寂しさよりも、安心の方がずっと大きかったです。


閉店して解散ではなくM&Aという形だったことで、資金面でもメリットがありました。今は「ここまで頑張ってきてよかった」「私たちのお店作りは間違っていなかった」とゴールテープを切ったような晴れやかな気持ちです。


生活面でも羽が生えたように楽な気持ちになりました。現在、子どもは1歳ですが、これまでは可愛いのにお店も心配で、子育てと経営のどちらにも集中できない焦りと不安が常にありました。今は子どもとの時間に100%向き合えることが何より幸せです。


店長の藤枝さんにもインタビュー

M&Aを知った際の不安と期待

woony店長の藤枝さん(向かって右)。M&A後も残るスタッフと一緒に
woony店長の藤枝さん(向かって右)。弊社 取締役の竹ノ下と一緒に

ここからは、譲渡後もwoonyの現場を支える店長・藤枝さんにお話を伺います。M&Aは経営者だけでなく、現場スタッフにとっても大きな転機です。実際にどのような変化があったのか、率直な声を聞いてみましょう。


―藤枝さんは高森さんの妊娠と同時に店長に抜擢されたと伺っています。woonyの現場を管理する中でこだわっていたポイントを教えてください。


藤枝さん:売上を作るための接客だけでなく、レイアウトやSNSでの発信を大切にしていました。woonyのこだわりを言葉だけでなく、空間や写真でどう伝えるかを意識していたのです。


実際にレイアウトから世界観を感じてくださって「マネキン買い」してくださるお客さんや、SNSを見て来店される方も多く、世界観づくりが重要だと学ぶ日々でした。


woonyの店内
woonyの店内

―woonyの運営会社が変わると聞いたときは驚かれたと思います。率直にどのような気持ちになりましたか?


藤枝さん:正直、とても驚きました。高森さんが現場を離れ、私が店長としてお店を管理する中で力不足を感じる場面が多く、接客や仕入れ、レイアウトまで抱え込んでしまっていたのです。その負担が態度にも出てしまい、スタッフにも良くない空気が広がっていたと思います。


このままではwoonyをだめにしてしまうと感じていた矢先のM&Aの話で、最初はパニックでした。スタッフの退職も重なり、私だけではお店を支えきれないと感じる一方で、M&Aという変化がお店の状況を良くするきっかけになるのではという期待もありました。


―そのような中で、縁結び株式会社はどのような印象でしたか?


藤枝さん:柴﨑さんは、最初にwoonyを褒めてくださり、さらに私の業務まで評価してくれました。それが本当に嬉しかったです。また、そのようなやりとりと並行して、woonyの運営に欠かせないメンバーの竹ノ下さん(現在:弊社取締役)がお店に残ってくれることになり、M&Aに対する不安は安心へと徐々に変わっていきました。これらの経緯から、私も退職せず、woonyを支えようと考えるようになりました。


―M&Aによりどのような変化がありましたか?


藤枝さん:スタッフが変わり、会社に属する古着屋になったことで業務は増え、正直あたふたする場面もあります。ただその分、可能性も広がりました。外部との関わりが増え、仕入れの一部を見直すなど新しい挑戦も始まっています。


M&A後もお客さんを大切にする姿勢は変わらず
M&A後もお客さんを大切にする姿勢は変わらず

そのような変化はありましたが、人と人の輪を作る古着屋というwoonyの特徴は変わっていません。これからは関わる人全員に「woonyと仕事ができて良かった」と思えるお店を目指していきたいです。


M&Aはあくまでも選択肢の1つ

信頼できる相手を見つけて、新たな可能性を手にしてほしい

これからのwoonyを盛り上げていくメンバー
これからのwoonyを盛り上げていくメンバー

―高森さん、大介さん、藤枝さん、この度は改めてご成約おめでとうございます。縁結びグループは、これからも多くの古着屋と一緒になり、力を合わせるからこそ実現できる未来を作っていきます。最後に、古着屋を経営しているオーナーに向けて、メッセージをお願いいたします。


高森さん:個人経営の古着屋の場合、オーナーのすぐ下にスタッフがいて、自分の働きかけ1つで士気も売上も大きく変わります。その分、「自分が抜けられない」という苦しさもあるはずです。しかし、本当に自分でなければ無理なのか、一度立ち止まって考えてみてほしいと思います。


M&Aはあくまでも選択肢の1つです。交渉において、私たちは譲れない条件を明確にし、相手との相性を大切にしてきました。そして、縁結びさんに出会えました。こだわる部分と手放す部分のメリハリをつけて、肩を組める相手かどうかをしっかりと見極めると、M&Aを通じて新たな可能性を手にすることができると思います。


高森大介さん:M&Aを意識した瞬間、扉が開いた感覚がありました。経営に行き詰まっていても、選択肢を具体的に思い描くだけで景色は変わります。お店を譲り渡せる相手は必ずいます。どんな思いで古着屋を経営してきたのかを丁寧に話し、相手がどのような言葉を返してくれるのかをまずは確認してみてほしいと思います。


藤枝さん:M&Aについて聞いたときは不安もありましたが、縁結びさんの経営者とスタッフはwoonyの経営に本当に親身になってくれました。今後増えていく新しい仲間とともに、縁結びグループとして古着業界を盛り上げていきたいです。



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